2012年1月31日火曜日

[なでしこリーグ]ベレーザ始動、タイトル奪還へ阪口、山田も合流


2年ぶりのリーグ優勝を目指す日テレ・ベレーザは30日、ヴェルディグラウンドで今季のチーム練習を開始した。ミーティングを終えた選手たちは午後7時過ぎにピッチに姿を現し、シャトルラン、ボール回し、9対9の紅白戦など、約1時間半汗を流した。実質就任2シーズン目を迎える野田朱美監督は、「凄く抜け出ているかと言えばそうではないし、食いつけるという手応えも十分に感じている。今年はクラブも補強に動いてくれて、人数的にも万全を期すことができた。昨年の若手の経験を今年に活かして、さらにチームとして成熟していけば、絶対に行ける」と、リーグタイトル奪還への意気込みを示した。

また、同日に発表されたなでしこジャパンを始めとする代表の合同キャンプ(2月9日-13日)には、ベレーザとメニーナ合わせて15名が選出された。怪我人、リハビリ組を除くと、チームに残るのは10人にも満たない数になり、練習もままならない。それでも野田監督は、「女子サッカーにとって明暗が分かれる年でもあると思うので、代表には出来る限りの協力をする」と、3つのカテゴリーで世界大会を戦う代表に協力を惜しまないことを明らかにした。

そして、プロ契約を結んだMF阪口夢穂(新潟から加入)、ジェフ千葉からは移籍してきたMF山田頌子も初日から合流。この日に上京してきたばかりだという阪口は、「伝統があるチームなので、ずっとプレーしたいと思っていた。新潟の時とはがらっと環境が変わるので、いいプレッシャーにして頑張りたい。展開力、空中戦など、自分の良さを前面に表現したい」とコメント。一方、先週から若手のトレーニングに参加していた山田は、「(ベレーザの選手は)ひとつひとつのプレーに対するこだわり方が違うと、身をもって感じる。細かくと広くを使い分けて組み立てたい」と、早くも新天地でのプレーのイメージを語った。

※始動レポート、野田監督、阪口・山田両選手のコメントは、携帯公式サイト「みんな@サッカー」掲載します。

http://minasaka.net/minasaka/guest.aspx?d=22414530

【取材:Takuma Omori@ヴェルディグラウンド】

2012年1月28日土曜日

[フランス]欧州女王・リヨン、FW大滝とプロ契約


オリンピック・リヨン(フランス1部)は27日、FW大滝麻未(早稲田大学)をプロ契約を結んだと発表した。契約内容は明らかにされていないものの、背番号は22に決まった。31日に入団記者会見を行い、いったん帰国して2月に合流する。

大滝は昨年、中国・深センで開催されたユニバーシアードで7得点を挙げ、日本の2大会連続準優勝に貢献。移籍には至らなかったが、12月にはジャパンツアーで来日したアーセナル・レディース(イングランド)に帯同した。また、大学2年時(2009年)に留学したカナダのヨーク大学では、リーグMVPと得点王の2冠に輝き、その後に進出した全国大会でもオールスターに選出されている。大学生としては十分な国際経験を持ち、堪能な英語で新しいチームメイトたちとコミュニケーションすることも可能だろう。

「とても誇りに思うし幸せです」と、クラブのオフィシャルページにコメントを残した大滝は、「私は多くのゴールを決める能力がある。日本人の中では背が高いほうなので、ヘディングも成長しました。そして、ボールをキープする力がある」と、自らのプレースタイルについて語った。

リヨンのオフィシャルページには、真新しいユニホームを掲げてカメラに収まる大滝の姿が掲載されている。クラブハウス内で撮影された写真の背景には、「リーグアン7連覇」「UEFAチャンピオンズリーグ6年連続ベスト16」など、リヨンの輝かしい歴史を示す幕が飾られている。欧州屈指の名門チームのひとつとして知られているリヨンだが、女子チームも勝るとも劣らない実績を残している。

リーグ戦では昨シーズンまで5連覇中で、今シーズンも首位に立っている(1月22日現在)。そして、昨シーズンはUEFA女子チャンピオンズリーグで永里優季の所属するトゥルビネ・ポツダムを破り、欧州初制覇果たした。無論、今シーズンも順当に勝ち進み、ベスト8に進出している。チームにはフランス代表MFカミル・アビリー、スウェーデン代表FWロッタ・シェリンを始め、スイス、ブラジル、コスタリカ、チュニジアなど、多国籍の選手で構成されている。

フランス、モンペリエにはDF鮫島彩、MF宇津木瑠美が所属しており、「日本人対決」も注目される。既に、リーグ戦での対戦は終わってしまったが、29日に3回戦が行われるクーペ・デ・フランス(フランスカップ)に勝ち進めば、対戦が実現する。

【みなサカ編集部】

2012年1月25日水曜日

大住良之コラム「Jリーグクラブライセンス 過ちを繰り返すのか」

Jリーグが今年度から「クラブライセンス制度」を実施することになった。
 この制度はヨーロッパから始まった。スター選手の獲得合戦などでクラブ経営が不健全化するのを防止することを目的にドイツで始められ、現在ではヨーロッパサッカー連盟(UEFA)も採用している。
 そしてアジアサッカー連盟(AFC)も導入を決定、2013年以後はライセンスを受けられなかったクラブはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を与えないという厳しい態度で臨むことになった。Jリーグの導入は、このAFCの決定に従うものだ。

 簡単に言えば、堅固なクラブ運営組織と選手育成のためのシステムをもち、ホームスタジアム、練習場などの施設を充実させ、赤字を出さない運営をすることが義務づけられ、一定の猶予期間を経ても改善されないときには罰金や降格といった重いペナルティーが科されることになる。
 何やらものものしいが、とにかくきちんとクラブを運営して、地域に貢献していきなさいということで、恐れるようなものではない。

 しかしひとつ気になることがある。Jリーグの基準にはAFCの基準にない項目がいくつかあるが、そのひとつ、女子チームの保持である。
 この項目は「C基準」、すなわち「達成が推奨されるもの。ライセンス交付とは関係ないが、将来的に等級が『A』か『B』に引き上げられる可能性あり」となっている。
 さらに詳細を読んでみると、下記のように定められている。

※続きは、携帯公式サイト「みんな@サッカー」 でお楽しみください。

■著者プロフィール
大住良之

1951年神奈川県横須賀市生まれ。中学生のとき66年イングランドW大会の放送を見てサッカーにのめり込む。74年一橋大学卒業後、ベースボール・マガジン社入社、「サッカーマガジン」編集部勤務。78年より編集長。82年同社退職後、88年よりフリーランスのサッカージャーナリストとして活動。

2012年1月24日火曜日

[なでしこリーグ]浦和レッズ、3年ぶりリーグ制覇目指し始動


浦和レッズレディースは24日、レッズランドで今季のチーム練習をスタートさせた。照明設備のトラブルで始動が一日遅れたものの、ミーティングを経て、19時頃からスタート。心拍数を図りながら約30分間ランニングした後、2人1組でのリフティングやヘディング、ボール回しなど、約1時間半汗を流した。

前日の雪が残り、銀世界が広がるレッズランド。昼間から雪掻きをしたスタッフの尽力により、きれいに整備されたピッチには、新加入したMF猶本光(福岡J・アンクラス)、MF高畑志帆(早稲田大学)を含め、19人が元気な姿を見せた。筑波大学に進学するため上京してきた猶本は、「(目標は)優勝したい。(INACに入団した3人は気になるか?と問われると)レギュラーを獲れるように頑張らないといけないという思いが強いです」と、定位置獲りに意欲を見せる。

浦和は昨シーズン、リーグ戦で3位、全日本女子サッカー選手権では準々決勝で姿を消し、無冠に終わっている。就任5年目を迎える村松浩監督(52)は、「チーム自体が変わりつつある中、やること自体は変わらないん。チームがひとつになって、新しい挑戦という気持ちでとにかくタイトルを目指して、勝利にこだわって戦いたい」と、3年ぶりのリーグ優勝を目指す決意を明らかにした。

村松監督、猶本選手のコメントは、携帯サイト「みんな@サッカー」に掲載します。

【取材/写真:Takuma Omori@レッズランド】

[なでしこリーグ]浦和レッズ、ディフェンスの選手層が充実【女サカニュース】

浦和レッズレディースは23日、MF猶本光(福岡J・アンクラス)、MF高畑志帆(早稲田大学)の加入を発表した。これにより、既に発表済みであるDF鈴木里奈(常盤木学園高校)、DF成合瞳(FC高梁吉備国際大学)を含めた4選手の入団が決まり、24日の新チーム始動を迎える。

猶本はU-17日本女子代表として、2010年にトリニダードトバゴで開催されたFIFA U-17女子ワールドカップ準優勝。昨年は、U-19日本女子代表として、新しいチームメイトになるMF藤田のぞみとダブルボランチを組み、全試合に先発してアジア連覇の原動力となった。中盤でバランスを取りながらボールを配給するだけでなく、積極的にゴール前に飛び出して、得点に絡むプレーに磨きをかけた。高校生ながらも福岡J・アンクラスではレギュラーを掴み、主力として活躍するなど、なでしこリーグでのプレー経験も豊富。

一方、高畑はユニバーシアード日本女子代表のセンターバックとして、昨年8月に開催されたユニバーシアード準優勝に貢献。大会では大学のチームメイト、臼井理恵とセンターバックのコンビを組み、抜群の安定感で攻撃陣を後押しした。また、攻守において、ゴール前の競り合いでは無類の強さを発揮するファイターとして知られる。相手との接触に恐れることなく、体を張ったプレーでピッチに倒れ込むシーンも多いが、不屈の闘志で幾度もチームを窮地から救ってきた。ボランチでプレーした経験もあり、DFラインからの展開にも期待したい。

ここ数年、浦和は中盤から前のポジションの選手が新加入選手が多かったが、今シーズンはディフェンスに重点を置いた補強をした。昨シーズン途中に熊谷紗希(フランクフルト)が抜け、夏以降に抜擢された坂本理保も現在は負傷離脱しており、選手層の充実が急務だった。先述した高畑に加え、U-19日本女子代表の鈴木は常盤木で3バック、代表では4バックのセンターバックを務める。鈴木と高畑はボランチ、吉備国際大学から加入する成合もサイドバック、センターバックと、複数のポジションでプレーすることが可能だ。

現在、負傷している齋藤あかね(浦和残留、仙台移籍かの発表は23日現在なし)、坂本が復帰すれば、昨シーズンは薄かったディフェンスの選手層も充実する。

【みなサカ編集部】

2012年1月22日日曜日

[なでしこリーグ]阪口と山田加入のベレーザ、中盤のレギュラー争いが激化【女サカニュース】

日テレ・ベレーザは21日、アルビレックス新潟レディースからMF阪口夢穂(24)、ジェフ千葉レディースからMF山田頌子(21)が移籍すると発表した。同時に、活動休止している東京電力マリーゼから加入していたDF長船加奈(22)、MF井手上麻子(24)が昨シーズン限りで退団することも明らかにした。

阪口は新潟はもとより、なでしこジャパンでも主力として活躍する。名門・TASAKIペルーレの活動休止後、2009年にアメリカ(FCインディアナ)に新天地を求めた。だが、渡米直後に左膝前十字靭帯断裂という大怪我負い、シーズンのほとんどを棒に振り(2試合出場1得点)、2010年シーズン途中に新潟入り。移籍初年度はフォワードの一角として、昨シーズンは主にボランチとして、チーム史上初となる全日本女子サッカー選手権決勝進出に貢献した。

「アルビレックス新潟にいなかったら今の自分はない。怪我から復帰するだけでなく、サッカー選手としてさらに成長させていただいた。中でも特にナミックス株式会社には本当に感謝しています。サッカーに集中できる環境を作ってくれたのはもちろんのこと、社会人としても大きく成長させていただきました。この職場で働きながらサッカーができたことを、すごく誇りに思っています」と、なでしこジャパンの中心選手として活躍する環境を整えたクラブ、自らを雇用することで支援した企業に感謝の言葉を新潟オフィシャルページに残している。

一方、山田は常盤木学園高校卒業後の2009年にジェフ入りすると、めきめきと頭角を現した。ルーキーシーズン途中からスタメンに定着し、2年目からは背番号10を背負い、不動のレギュラーとして、劣勢に立たされることの多いチームを支えた。替えの効かない選手として、上村崇士監督の信頼も厚かった。昨シーズンは怪我に泣き、リハビリに時間を費やすシーズンでもあった。負傷でリーグ開幕には間に合わず、W杯による中断が明けた7月24日、INAC神戸レオネッサとのアウェイゲームで復帰を果たし、12試合に出場した。

「昨年は怪我で悩まされ、思うようにプレーができない中でも、サポーターの皆さまからは、あたたかい声をかけていただき、とても励みになりました。復帰してから苦しい状況が続く中でも、変わらぬ熱い応援をしていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ジェフの選手の一人としてピッチに立てたことは、私の一生の宝です」と、千葉オフィシャルページでサポーターへの感謝の言葉を綴っている。

阪口、山田はともに足元の技術が高く、阪口はゴール前で得点に絡み、山田は正確なキックでチャンスを演出する。ベレーザの中盤には伊藤香菜子を始め、原菜摘子、中里優、木下栞など、経験豊富なベテランから勢いのある若手まで、充実した選手層を誇っている。そうした中で阪口、山田が加わり、昨シーズンにも増して激しい競争となることは間違いない。就任2年目となる野田朱美監督のチーム作りにも注目が集まる。

【みなサカ編集部】